闇の雨 (2)
怪我をさせることなく、自分をズタズタに引き裂きたがっている人間。
もし、本当にそんな相手がいるのだとしたら、それは────。
小さく溜息をついて、呂望はベッドの上で寝返りを打つ。
この寝室とリビング、小さなキッチンにユニットバスからなる１LDKの地下室に軟禁されてから、もう４日が過ぎた。
誘拐犯である正体不明の青年は、最初に明言した通り、これまで呂望にはまったく触れようとしなかった。
それどころか、いまや呂望のテリトリーとなっている寝室に足を踏み入れたこともない。
呂望が結論を出すのを待っているかのように、彼は彼でゆったりと時間を過ごし、夜はリビングのソファーで眠っている。
犯罪者とも思えないその悠然とした態度に、呂望も戸惑わずにはいられなかった。
もっとも、青年は一日に一度の割合で外に出ることを日課としており、いつも数時間ほどで食料品や新聞を手に戻ってくる。
最初に彼が留守にした時に、どうにかして出られないかと模索してはみたのだが、外界に通じるドアは一枚きりで、しかも最新式のセキュリティ錠が使われていては、呂望には手を出すすべがなかった。
まるで時間が止まってしまったかのように、何の変化もないまま状況が停滞している。
そろそろ呂望の精神も限界だった。
「食事にしませんか」
軽いノックの音と共に、ドアの向こうから声がかけられる。
ベッドに仰向けになって天井を見上げていた呂望は、それに応じてのろのろと身体を起こした。
今、身に付けているのは拉致された時に来ていたセーラー服ではなく、青年が調達してきた品のいいブラウスとスラックスである。
呂望が普段着ているものと比べても何ら遜色のない良品であり、サイズもぴったりで気心地は悪くなかった。
だが、誘拐犯──もしかしたら、それだけではすまないかもしれない相手から与えられたものだという一点で、十分、憂鬱な気分になる理由になる。
得体の知れない相手に『飼われている』としか呼べない状況が、どうしようもないほどに呂望には嫌だった。
一流ホテル製のレトルト食品が並べられたテーブルに、ゆっくりと呂望は手を延ばす。
本当は食事もしたくなかったが、初日に、食べなければ、いざという時に抵抗もできませんよ、と青年に揶揄されて、体力を保つために極力、食物を口に運ぶ努力はするようにしていた。
もっとも、ただでさえ細い食が更に細くなっており、少し体重が落ちたかもしれないという自覚は呂望にもあった。
「───いつまで、こんなことを続けるつもり？」
「最初から、依頼の期限まで解放する気はないと言いましたが？」
味気ない食事をする手を止めて問いかけた呂望に、青年はあっさりと答える。
「何が望みなの、あなたは？」
その余りにも平然とした顔に、呂望は苛立ちを隠しきれなくなった。
別に気が短い性質ではない──むしろ、この年代の少女としては相当に忍耐強い方だったが、人には限度というものがあるのだ。
澄んだ優しい声が、常にない鋭さを帯びて青年を糾弾する。
「一体何が目的で、こんなことを続けているというの！？」
「それは、あなた次第ですね」
「………どういう、意味？」
訝しげに眉をひそめた呂望に、青年は薄く笑んだ。
「言ったでしょう。僕は、金銭にも女性にもさしたる執着はない。にもかかわらず、４日前にあなたを拉致したのは、この依頼そのものに興味を持ったからです。だから、僕の目的をと言われて、敢えて答えるなら、あなたと依頼人の動向を知りたいという好奇心以外の何ものでもないと言うしかありませんよ」
その返答に、呂望は絶句する。
握りしめた拳が、テーブルの下で白く青ざめた。
「そ…んなことのために、こんな茶番を続けているというの！？」
「茶番じゃありません。現実ですよ。あの画面が見えないわけじゃないでしょう？」
青年が示したローテーブルの端では、ノートパソコンが例の掲示板を自動更新しつつ、リアルタイムで提示している。
青ざめた顔で、呂望がそれを見つめていると、青年もようやく食事の手を止めた。
「確かに事態が膠着しているのは認めます。あなたもいい加減、忍耐の限界のようですから、このあたりでお聞きしましょう。
依頼人の正体に心当たりはありますか？」
「───ないわ」
「……あなたも外見に似合わず、ずいぶん強情な方ですね」
軽く溜息をつくようにして、青年はテーブルの傍らにおいてあった、今日のものと思しき新聞を取り上げ、呂望に差し出した。
「ごらんなさい。あなたが行方不明になって４日だというのに、未だに新聞には一切の記事が出ていない。それどころか、調べたところでは警察には何の届けも出ていないようです。この意味が分からないほど、あなたは鈍い方じゃないでしょう」
「────」
「あなたのすぐ側に依頼人はいる。あなたとその人物は、どういう関係です？」
「知らないわ！」
蒼白になったまま、呂望は叫んだ。
見ず知らずの誘拐犯に監禁され、信じがたい賞金稼ぎとやらに対する依頼内容を教えられた上、何故こんな風に問いつめられなければならないのか。
「たとえ心当たりがあったとしても、何故、あなたに教えなければならないの！？ 知ったところで、どうしようという気もないのでしょうに！！ 勝手なことばかり言わないで…っ！！」
激しく波立つ感情のままに立ち上がって、青年に言葉を投げ付ける。
そして、そのまま呂望は寝室に向かって狭い室内を駆け出した。
が、
「待って……！」
テリトリーに飛び込むよりも早く、青年の腕が少女を捕らえる。
「待って下さい。僕の言い方が悪かったかもしれませんが、僕は別に……」
「離して！」
掴まれた腕を何とか振りほどこうと、呂望は手を精一杯に振り回す。
そして、怒りと混乱に潤んだ瞳で、青年を睨み上げた。
「あなたなんかに……分かるわけがない。他人の苦しみを面白がっているような人に、一体何が分かるというの！？」
そして、呂望はもう一度、力一杯に青年の手を振りほどくべく自分の腕を引き寄せる。
「離して……！！」
説得も弁解も諦めたのか、青年は手を離し。
呂望は寝室に飛び込む。
後ろ手にドアを閉め、そのままずるずると床にへたり込んだ。
「もう……嫌……」
嗚咽まじりの細い声が、力なく零れ落ちる。
「誰か助けて……。お祖父様……母様、父様……」
弱々しく呟いて。
そのまま呂望は泣き崩れた。
その日、まる一昼夜の間、呂望はベッドから動こうとはしなかった。
夕方、とうとう響いた一日ぶりのノックの音にも背を向けたまま、毛布の中で小さく膝を抱える。
と、これまで決して呂望自身の手以外では開かれなかったドアが、静かに開いた。
「起きていらっしゃるでしょう？」
響きのいい低い声とともに、ゆっくりと気配がベッドに近付く。
だが、呂望は頑なにそちらを向こうとはしなかった。
そんな呂望に苦笑する気配がして、そして青年はベッドの端に腰を降ろす。
青年の重みに、ぎしりと軋んだ音に呂望はかすかに震えた。
「──どんな世界に生きようと、そこにいる限り、何らかのルールが人間には課される。賞金稼ぎにも賞金稼ぎのルールがあるんですよ」
振り向こうとはしない呂望には構わず、青年は話し出す。
「たとえば、あなたに同情して見逃してあげることは、事をこの場に限ってしまえば簡単です。ですが、それでは話が通らない。むしろ、依頼人を苛立たせて、あなたをより悪い状況に追いやってしまう可能性が高い。
これはあなたの例に限ったことではなくて、この世界では当たり前のことなんです。裏の世界には裏のやり方がある。それを忘れて余計なことをするのは、より悪い状況を生み出してしまうことにしかなりません。
でも、自分の身を守るためには、常に依頼の裏について考えておく必要はある。そうして考えた結果、僕は最初に、依頼人に対抗する術があるのなら、あなたを無傷で帰してあげてもいい、と言ったんです。そもそもが、受けた側の僕にとっても後味のいい依頼ではない上に、どうも得体の知れない感じがしますから。
でも、それができないというのであれば、僕は依頼を遂行するしかないし、あなたも流されるしかない。力がないのであれば抵抗しないこと。これが、裏の世界に関わりを持ってしまった人間の鉄則です。
───呂望、あなたは死にたいですか？」
呂望、と初めて青年は名前を呼んだ。
「それとも生きたいんですか？ そこをはっきりさせなければ、何も始まりません」
静かに問いかけられて、呂望の細い肩が震える。
「あなたは尋常ではない状況に置かれている。依頼人との関係が変化しない限り、今後は生きていても苦痛の連続でしょうし、かといって、楽にも死なせてもらえないでしょう。おそらく、この場で舌を噛み切るのが、まだ一番ましな方法に違いありません。今なら僕も止めませんしね。
それでも、あなたは生きたいと思いますか？ それとも舌を噛みますか？」
答えを待つように青年は沈黙する。
静寂の中で毛布にくるまり背を向けたまま、呂望は大きな瞳を見開いて、ドアとは反対側の壁を見つめた。
「────死にたく、ない……」
ささやくような小さな声が、張り詰めた空気を震わせる。
そのまま、かすかな嗚咽に毛布のかかった細い肩が揺れた。
クリーム色の毛布の端から零れている艶やかな髪に。
青年の手がそっと伸ばされる。
髪を撫でる優しい、いたわるようなその感触に、思わず呂望は身体をひねるようにして振り返った。
驚きにみはられた涙の零れ落ちる大きな瞳を、感情の読めない、だが深い色をした青年の瞳が見つめた。
「だったら、生きるためにはどうするべきなのか考えるべきです。あなたは確かに物理的な力は持たない。でも、だからといって、泣くしか能のない愚者でもないでしょう？」
「────」
「とりあえず、食事にしましょう。生きるつもりがあっても栄養失調になってしまっては、どうしようもありませんよ」
零れ落ちた涙をそっと拭い、微笑と共に差し伸べられた手に。
惑いつつも、おずおずと呂望は自分の手を伸ばし、青年の手のひらに重ねる。
初めて触れる青年の手は、思いがけずほっとする温もりを持っていた。
＊ ＊
外界と隔絶した地下室では、時間の流れなど分からない。
寝室の壁にかけられている時計が正しいのだとすれば、呂望が目覚めたのは、まだ夜明け頃だった。
窓のない部屋は明かりを消したら本当に真っ暗になってしまうため、フットライトだけを消し残した薄明かりの中で、呂望は天井を見つめる。
そのまま、身動きもほとんどせずに三十分ほどが過ぎただろうか。
呂望は、ゆっくりとベッドから身を起こした。
───拉致されてから、６日が過ぎようとしていた。
そっと寝室のドアを開けると、その向こうも薄暗かった。
ちょうど夜明け前の空に似た明るさまで照明はしぼられている。
その中で、青年はソファーに横になっていた。
足音を立てないように裸足のまま歩み寄り、そっと青年の寝顔を伺い見る。
彼はよく眠っているように見えた。
そして、呂望はリビングのドアに視線を向ける。
青年が外出するのは、決まって呂望が寝室に閉じこもっている時だったから、その向こうに何があるのかはまったく分からない。
他の部屋があるのか、建物の１階、あるいは外に続く通路があるのか。
ゆっくりと呂望は、そのドアに近付く。
───何の変哲もない、だが最新式のセキュリティ錠を取り付けられたドア。
おそらく鍵がかけられているだろうし、それを解こうと物音を立てれば青年が目を覚ますだろう。
じっとドアノブを見下ろし、やがて呂望は手を触れることもなく、踵を返してソファーの位置まで戻る。
そして今度は、ローテーブルに置かれたままのノートパソコンを見つめた。
おそらくスリープ状態にあるのだろう。パイロットランプはゆっくり点滅しているが、開かれた画面は暗く消えている。
どこか一か所、キーかタブレットに触れれば機能は目覚めるのだと分かっていたが、やはり呂望は手を延ばさないまま、沈黙した黒い画面を見つめ続ける。
「───見たいＨＰがあるんじゃないんですか？」
不意に声をかけられて、呂望はびくりと肩を震わせた。
顔を上げて見れば、仮寝していたはずの青年が、長い髪をかきあげながら起き上がるところだった。
「───…」
何をしたかったのかと目で問いかけるような青年に、口を開きかけて、結局、呂望は一旦、唇を引き結ぶ。
そんな呂望を見て、完全にソファーに身を起こした青年は、手を伸ばして呂望の見つめていたノートパソコンを自分の方に引き寄せた。
「あなたが寝室から出てきた時に目は覚めたんですが……僕が眠っていたら、あなたはどうするのかと思いましてね。悪趣味ですが」
長い指先がタブレットに触れると、小さく起動音が沸き上がり、ノートパソコンはスリープ状態から復帰を始める。
その様を目の端で追いながら、呂望は呟くように言葉を紡いだ。
「───まるで、よくある心理学の話みたいだわ。加害者と被害者が長時間、密接な状態に置かれると、やがて被害者は、防衛本能から加害者に対して保護者に対するような思慕を感じるようになる」
その細い声に、青年は笑った。
「でも、あなたは違うでしょう？ ドアに触れなかったのは、たとえ今、外に出ることができても、どうしようもないことが分かっているからだし、パソコンに触れなかったのは……これを見たいけれど見るのが恐かったからでしょう？」
言いながら、手元の操作を終えた青年は、ノートパソコンの画面を呂望の方に向ける。
その画面には、例の掲示板が表示されていた。
沈黙したままリアルタイムで更新されてゆく画面を見つめ、やがて呂望は、これまで決してしなかったこと──キーボードに手を伸ばした。
掲示板の下方にリンクがある検索ページを開き、日付けと時刻を指定する。
その様子を、青年も黙って見守った。
しばらく時間を置いて、あの依頼文の書き込みがされた画面が表示される。
唇を引き結んだまま、呂望は依頼文を読み、そして画面をスクロールしてゆく。
時系列に沿って書き込みが次々に表示される。
美味しい依頼に対する事前の勝利宣言、そして、ターゲットを見失った怒号、ターゲットを手中にしているであろう相手に対する恫喝。
やがて書き込まれる次の別口の依頼。それらに興味を示しつつも、やはり美味しい獲物の行方を求め続けている狩人達の罵声。
一人の少女と１千万円という高額の賞金に向けられた膨大な欲望が、そこには下劣極まる表現で渦を巻いていた。
「これは……現実なのね」
じっと画面を見つめていた呂望の口から、ひっそりと呟きが零れる。
「他に、方法はないの？」
諦めに満ちた、それでもかすかな糸でも見えないかと願う悲痛な声が問いかける。
低い声が、静かにそれに答えた。
「一つだけ、ありますよ。今回のことだけをやり過ごす、一時しのぎの逃げ道ですが」
その返答に、呂望ははじかれたように顔を上げる。
見開かれた大きな瞳を、青年はまっすぐに見つめた。
「レイプされた振りをすればいい。１６歳にもなろうという女の子が十日も姿を消し、挙げ句に憔悴しきって帰ってきたら、それだけで周りが勝手に推測してくれます。あとは、あなたの演技力次第。
あなたの身近にいるだろう依頼人の目を、ごまかすことができますか？」
青年の言葉に、呂望はしばしの間、考え込む。
だが、その首は力なく横に振られた。
「無理……」
疲れきった声で、呂望は呟いた。
「絶対に無理……。あの人の目はごまかせない。絶対に見抜かれる……いいえ、それどころか、私が本当に襲われたかどうか確かめようとしてもおかしくない……」
───先程、目覚めてからしばらくの間もずっと考えていた。
逃れる方法はないのか、凄まじいまでの悪意から身を守るにはどうしたらいいのか。
けれど、何も思い付かなかった。
残酷な依頼をしたのが誰なのか。
本当は、話を聞かされた最初の時から薄々気付いていた。
崑崙グループは国内有数の大財閥だ。それゆえに、唯一残された直系の令嬢であり、莫大な遺産の相続人である呂望に、直接間接に敵意、あるいは害意を持つものは決して少なくはない。
その中には分家や縁戚筋の者も多く含まれている。
だが、こんな風に残酷な手段で傷つけたがる者は。
たった一人しか思い当たらない。
青年の言った依頼人像に、最も当てはまる人間。
それは───…。
唇を噛み締めてうつむいた呂望の頬を、涙が伝い落ちてゆく。
零れかかる艶やかな髪を、青年の指がそっと梳き上げた。
「───可哀想に」
そのまま、優しく細い肩を抱き寄せるようにして、額やこめかみに触れるだけの口接を落とす。
そして、華奢な身体にゆるく腕を回した。
「そんなに難しい相手ですか」
問いかけるような確認するような声に、呂望はうつむいたままかすかにうなずく。
「依頼が本当のことだとしたら……依頼人は、あの人しかいない……」
「──残念ながら、僕は嘘は一度も言っていません。全部、現実です」
青年の低い言葉に、呂望は悲痛な表情を滲ませて目を閉じる。
泣き叫ぶこともなく、人形のように涙をこぼし続ける呂望を、青年は背に回した手の力を少しだけ強め、胸の中に抱きしめた。
「僕の名前を、まだ教えてませんでしたね」
「───え…？」
青年の声が、呂望の耳に届き、そして意味を形作るまでには多少のタイムラグが必要だった。
驚いて顔を上げた呂望の泣き濡れた瞳を、青年が見つめる。
そして、短い一つの名を口にした。
「楊…ゼン……？」
「通り名ではありませんよ。本当の名前です」
「どうして……？」
何故、名前を教えるのかと尋ねた呂望に、楊ゼンと名乗った青年は微妙な微笑みを浮かべる。
「名前も知らない相手に抱かれるよりは、ほんの少しだけましでしょう？」
その言葉に、呂望の瞳に表現しがたい痛みが滲み、揺らぐ。
言いかけた言葉は声にならず、まなざしが伏せられた。
華奢な肩をもう一度、青年の手が抱き寄せる。その手を呂望は振り払うことはしなかった。
「……ひどくはしませんから」
耳元で静かな声が囁く。
それに呂望は、うつむいたまま、かすかに自嘲の笑みを唇の端に昇らせる。
「それでは依頼の内容と違ってしまうわ」
「そんなことはありませんよ」
青年の声はあくまでも優しい。
抱きしめる腕も。
青年の胸に抱かれたまま、どこか不思議な気分で呂望は青年の声を聞いた。
「もう十分すぎるくらいに、あなたは傷つけられた。そうでしょう？」
低い声に、呂望は顔を上げる。
泣き濡れた瞳を、青年の瞳がまっすぐに見下ろしていた。
涙の伝い落ちる頬を、青年のあたたかな手のひらがそっと包み込む。
そして、ゆっくりと青年が顔を近付けるのに、呂望は目を閉じる。
その拍子に幾筋もの涙が、零れ落ちて。
二人は静かに唇を重ねた。
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